「市民節電所」を支える理論と実証

 市民(グループ)の省エネ・節電・CO2排出削減に向けた自主的取り組みを「協定」・「情報的手段」・「経済的手段」のポリシーミックスで支援する「仕組み」による活動が「市民省エネ・節電所(略して「市民節電」)」です。


(1) 「市民節電所」の特徴
① 行動主体である市民(グループ)の省エネ・節電等に向けた取り組みを尊重する。
② その取り組みを協定、情報的手段と、経済的手段で支援する「仕組み」により、成果を目指す。
③省エネ・節電の対象を電気・ガス使用量に絞り、前年同月との対比で削減量とする。
④数名でグループを作り、世話役を1名決め、事務局に申し込む。何時でも参加できる。
⑤取り組み期間は1年とするが、継続は可能。
⑥グループで削減したCO2量をカーボンクレジット(CC)とし、事務局が買い取る。これにより公平性を確保する。
⑦そのCCを活用して、CO2排出ゼロ宣言者は、排出実質ゼロを達成できる。

(2) 市民節電所の理論的裏付け
 環境政策の手段として多用される直接規制は市民の自主的取り組みには馴染ま
ない。そこで、市民とで結ぶ「協定」、啓発活動や情報提供による「情報的手段」
と、一定期間の活動によるCO2排出削減量を買取る「経済的手段」の3つ政策手段
で支援する「仕組み」を活用する。

(3) 市民節電所の有効性の実証
 市民節電所およびそれを支える「仕組み」の有効性を実証的に評価するため、社会実験と継続的実験を行い、さらに市民節電所「まほろば」の活動を現在も行っている。

①社会実験と ②継続的実験
 社会実験の結果は、
 ・250世帯の多様な市民が興味を示し、参加した。
 ・1年間の取り組みで脱落者ゼロ。
 ・電気で9.6%の削減を達成。
 それもしっかり数値で把握でき、「仕組み」の有効性を実証した。 
 引き続き行った継続的実験で、1年以上の取り組みでも有効であることを実証した。

③市民節電所「まほろば」の活動
 ①②の社会実験等で、有効性と継続性が実証できた「仕組み」を取り入れ、市民とと
もに省エネ・節電を効果的かつ継続的に実施できる市民節電所の活動を広める活動をし
ている。とくに2016年から実施している、市民節電所「まほろば」の活動がその有効性を示しています。

 

参考文献: 村木正義(2015)「市民の省エネ・節電/CO2排出削減を効果的・永続的に支援する一方策~国内初の仕組みを使った節電所ネットワークによる~」地域創造学研究XXV(奈良県立大学研究季報第25巻第3号)1-38(http://npudb.narapu.ac.jp/contents/_pdf/k250302/k250302.pdf)