14 「市民節電所」の有用性の実証

 市民(グループ)の省エネ・節電・CO2排出削減に向けた自主的取り組みを中心に据え、それを「協定」・「情報提供」・「経済的手段」のポリシーミックスで支援する「仕組み」を使った活動が「市民節電所(詳しくは市民省エネ・節電)」です。


(1) 「市民節電所」の特徴
 ① 行動主体である市民(グループ)の省エネ・節電等に向けた取り組みを尊重する。
 ②その取り組みを協定、情報的手段と、経済的手段で支援し、成果を目指す。
 ③ 省エネ・節電の対象を電気・ガス使用量に絞り、前年同月との対比で削減量とする。
 ④ 数名でグループを作り、世話役を1名決め、参加を申し込む。何時でも参加できる。
 ⑤ 取り組み期間は1年とするが、継続は可能。
 ⑥ グループで削減したCO2量をカーボンクレジット(CC)とし、事務局が買い取る。これにより公平性を確保する。  ⑦ CO2排出ゼロ宣言者はCCを活用し、CO2排出実質ゼロを達成できる。

(2) 市民節電所の理論的裏付け
 政策手段として多用される直接規制は市民の自主的取り組みには馴染まないので外し、他の手段として市民と自治体等とで結ぶ「協定」、自治体等による啓発活動や情報提供による「情報的手段」と、一定期間の活動によるCO2排出削減量を買取る「経済的手段」の3つの政策手段のポリシーミックスによる。


(3) 市民節電所の有効性の実証
 市民節電所およびそれを支える「仕組み」の有効性を実証的に評価するため、社会実験と継続的実験を行い、さらに市民節電所「まほろば」の活動を現在も行っている。

①社会実験と継続的実験
 社会実験の結果は、
 ・250世帯の多様な市民が興味を示し、参加した。
 ・1年間の取り組みで脱落者ゼロ。
 ・電気で9.6%の削減を達成。
 それもしっかり数値で把握でき、「仕組み」の有効性を実証した。 
 引き続き行った継続的実験で、1年以上の取り組みでも有効であることを実証した。

②市民節電所「まほろば」の活動
 ①の実験で、有効性と継続性が実証できた「仕組み」を取り入れ、市民とともに省エネ・節電を効果的かつ継続的に実施できる市民節電所の活動を広める活動をしている。とくに2016年から実施している、市民節電所「まほろば」の活動がその有効性を示しています。


市民節電所の高い評価


 社会実験や市民節電所「まほろば」の活動は市民節電所の有効性、継続性を実証した。
 これをある一地区に留めるべきではないと考え、広報に努めた。報告書やまほろば通信の発行、学術学会での発表、市の広報誌などの活用。また報告会&講演会などの開催時には新聞各社の記事、テレビの取材放映などで情報を発信した。
 その結果、次のような評価を得ました。
 ① 低炭素杯では2013年*と2017年全国大会の出場者に選らばれ出場し、2017年には優秀賞
  を受賞した。
 ② 平成25年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞した(平成25年12月)*。
 ③ 環境省のグッドライフアワードでは実行委員会特別賞を2015,16,17年の3年連続で受賞
  した。
 ④ 第3回カーボンオフセット大賞の1次審査を通過(42団体に)した(平成25年12月)*。
 なお、*印の仕組みの提案とその有効性を実証した社会実験は、村木理事長が当時会長は務
 めていた奈良市地球温暖化対策地域協議会が行った。

◎ 学会での評価
 環境経済・政策学会年大会で発表
 ・2012年大会(於:東北大学、2012年9月15日)で、村木正義・松本友宏「市民の省エネ/CO2排出削減への取り  組みを支援するポリシーミックス」を口頭発表した。
 ・2014年大会(於:法政大学、2014年9月13日)で、村木正義「市民の省エネ/CO2排出削減への取り組みを永続  的に支援する一施策~節電所ネットワークによる」を口頭発表した。

◎ 外部公表資料
 社会実験「市民の省エネを支援する仕組みづくり」中間報告書、同最終報告書(概要版と詳細版)発行

◎ 学術誌への投稿
 村木正義(2015)「市民の省エネ・節電/CO2排出削減を効果的・永続的に支援する一方策~国内初の仕組みを使った節電所ネットワークによる~」地域創造学研究XXV(奈良県立大学研究季報第25巻第3号)1-38ページ。