13 仕組みから市民節電所へ

 市民と省エネ・節電・CO2排出削減に効果的・継続的に取り組める活動として、「市民節電所」活動を提案します。

 活動のポイントは、市民グループの省エネ・節電に向けた自主的取り組みを中心に据え、市民と事務所の役割を明確にし協定を結び、情報交換、経済的手段で支える。

①協定
 市民と一年単位の協定を結びスタートするが、その協定では市民
の役割、事務局の役割を明記している。
 1) 市民の役割
  i) 市民は5~10名で節電所を作り、事務局と協定を結ぶ。
  ii) 節電所で1年間省エネ・節電に取り組む。 その間、毎月今年
  と前年の電気・ガスの使用量を報告する。
  2) 事務局の役割
  ⅰ)事務局(「まほろば」では当ネットワークが担当)は省エネ
   ・節電に役立つ情報を適宜提供する。
   情報誌の発行(まほろばでは年3号)、情報交換の場提供やセミナー開催(年2回)などで支援する
  ⅱ) 1年間の取り組み後、節電所が1年間で削減できたCO2削減量(電気・ガスの使用量から算出する   )を事前に決めた価格(同1キロ2円)で買い取る。

②情報的手段
 取り組みを継続させ成果を上げるため、情報は重要なキーワードである。それも2つに別れる。その1つが情報提供で、セミナーを年2回開催し、年3号の発行している情報誌「まほろば」通信を。これは一般市民向けの啓発活動に位置づけているが、「まほろば」の参加者へも大事な情報提供になっている。そのため講演内容の全体を情報誌「まほろば」に収録している。
 もう1つが情報交換で、月々の電気・ガス使用量に関するデータ提供がある。節電所のメンバーが各自世話役に報告し、世話役がそれをまとめて事務局に報告する。事務局がこれら全部を集計し、保存する。それを適宜解析し、節電所にフィードバックする。もう1つ重要な情報交換は経験が豊かな、削減ノウハウをもった仲間から、そうでない仲間に伝達するという大きな役割を持つ。「まほろば」全体では情報交換会を年2回開催し、また各節電所内での情報交換も大事と奨励している。

③経済的手段
 1年間の取り組みで、削減できた電気・ガスの使用量から算出したCO2削減量を、当ネットがCO2 1 kgあたり 2円で買い取る。
 「なぜCO2削減量を買い取るか?」「その資金はどこから来るのか?」とよく質問を受ける。これは買い取るCO2削減量には社会的に価値があるからで、「カーボンクレジット(CC)」と呼ばれる。国際的に行われている排出量取引や、最近話題となるカーボンプライシングと類似している。
 経済的インセンティブとしては、実際の電気・ガス使用量削減による料金支払額の減少の方が市民節電所で受け取れる額より10数倍大きい。CO2削減量買い取りは少額でも価値があるので対価を支払う。報償ではないので、社会の限界費用のように、なるべく適正な額に設定するように努めている。額は少ないが参加者の励みにはなっている。また省エネ・節電をしない市民とのフリーライド問題の解消になり、公平性を保てる。

◎ネーミングについて
 「市民節電所」も「市民省エネ・節電所」もあまり聞かないし、使われていてもやや異なるので、ここで定義する。
 節電によって生じる余剰電力は発電所を新しく建設することと同じ価値があるという考えから節電所、あるいはネガワット(negawatt)と呼ばれます[注]。
 省エネ・節電等に取り組む市民が集まったグループを「省エネ・節電所(略して節電所)」と見なすことができます。 これら節電所と事務局の情報交換や経済的手段での役割を協定で明確にし省エネ・節電等の実を上げることを目指す団体、あるいはその活動を「市民省エネ・節電所(略して市民節電所)」と呼ぶことにする。
 発電所のように大きな施設や設備などのハードも、多額の資金も必要ありません。ただやる気があれば、短時間の準備ですぐにもスタートできます。 市民節電所に参加する人やグループが集まれば、省エネ・節電量を増やせるし、またメンバーやグループが替わってもそれを繋ぐことで、大きな省エネ・節電量を永続的に目指すことができます。