(3)「市民節電所」の実証的評価

 市民節電所を実証的に評価するため、それを具体化し、市民節電所「まほろば」の取り組みを5年間実施しています。その活動の詳細は、「NW-mahoroba」 に譲るが、概要を以下に紹介する。

① 「まほろば」の活動状況
 2016年に開始、どこの市民でも5名集まりグループを作れば、
何時でも参加でき、期間も更新できる。参加者は増え、現在16グ
ループ、100世帯が活動している。その間途中脱落者ゼロで、多く
が4、5年続けている。全体としては4,500世帯・月を超えた。


② 「まほろば」活動の実績
 1) まほろば全体のCO2削減量
  電気およびガス使用によるCO2排出量は、第1期は
  2.1トン増えたが、第2期~4期は減ったが、第5期
  (2020年6月~21年5月)は7.3トンと増加した。
  それでも5年間総計は1.4トンの削減となった。
 



 2) まほろば全体のCO2実質削減量
  電気の排出係数はこのところ年々変化しており、それを考慮して、2015年度は0.496、16年度は0.493、17年度を0.419、そして18年度以降を0.334として、実質排出量を算出すると、5年間の電気・ガス両者によるCO2実質排出量の総計は、57.4トン削減となった。

③ 「市民節電所」の課題と解消
 「まほろば」の活動を長く続ける中で次の点が問題になってきたが、下記のように解消できることが分  かった。

1) 買取資金問題 
 「まほろば」でCO2排出削減量(カーボンクレジット、CC)を買いるが、その資金をどう調達するかが問題だと言われる。
 そこで、CCを「CO2排出ゼロ宣言者」に活用してもらえば解消できる。実際、3年前から実施しており宣言者の量が、まほろば全体のCCの創出量に匹敵する量に達しています。

2) 長期の取り組みの壁
 市民節電所に取り組んで2年、3年と経つと、「やることが尽き、活動を続けることが難しい」という意見が出てくる。
 そこで、「まほろば」のデータを、スタートからの期間ごとに見ると、1年目は0.1トン増、2年目は  2.1トン減、3年目は2.8トン減、4年目は4.0トン減となり、総計で8.9トン削減と、年々削減量を増 やしている。原油換算値で見てみると、同じ傾向がみられる。
   これにより、2年目、3年目、4年目の壁はあっても、クリア出来ないほどではないと言えます。

3)コロナ禍と省エネ・節電
  「まほろば」ではスタートして4年間は、CO2排
出量を順調に削減してきましたが、昨年に入って様
相が一転し増加に転じた。この原因は何か?
 20年3月~21年2月の月ごとの国内のコロナ感染者
数変化と「まほろば」全体のCO2排出増加量の変化
を1つのグラフで示したのが右図で、非常に似た動き
をしています。
 両者の関係を数値で見ると、相関係数は約0.7と
「かなり相関性がある」ことが分かります。
  このことは、「まほろば」の参加者がコロナ感染
者数の変化を見て、行政の指導に従い、自粛やテレ
ワークに務めたため、CO2排出量を増やしたと考えられます。「まほろば」の活動が参加者の自主性に委ねているためとも言えます。