市民節電所を支えする「仕組み」

 市民(グループ)の省エネ・節電・CO2排出削減に向けた自主的取り組みを中心に据え、それを「協定」・「情報提供」・「経済的手段」のポリシーミックスで支援する仕組みです。


(1) 市民の省エネ、CO2排出削減はなぜ進まないのか? 

 そこには、多くの市民が継続的な省エネ行動が出来ておらず、効果も上がっていない現実があります。その理由には、ここに揚げたように、
 ①省エネの必要性の認識不足 ⇒ 省エネ行動に向かない ⇒ 効果が上がらず、継続できない、
 ②啓発、活動支援、情報提供が不十分 ⇒手段が目的になっていない?
 ③身近な適切な目標設定がない、
 ④省エネ行動のインセンティブがないなどいろいろありますが、「適切な政策」が実施されていないと言えます。
 このような認識から、市民の省エネ・節電を効果的・継続的に支援する「仕組み」を提案しました。
                            

(2)「仕組み」の提案          

 仕組みでは、行動主体である市民のグループによる省エネ・節電あるい
はCO2排出削減への取り組み(行動)を中心に据えます。ただそれだけで
は効果が限られるので、政策手段のうち効果が相殺しない自主協定、情報
的手段と、経済的手段の3つの政策による、いわゆるポリシーミックスで
支援する国内初の仕組みを提案します。

(3) 理論的裏付け

 政策手段として多用される直接規制は市民の自主的取り組みには馴染まないので外し、他の手段として市民と自治体等とで結ぶ「協定」、自治体等による啓発活動や情報提供による「情報的手段」と、一定期間の活動によるCO2排出削減量を買取る「経済的手段」の3つにより支援します。
① 協定
 (自主)協定は企業と行われることが多いが、ここでは市民を対象にします。協定内容を明示しおくことでそれなりの効果はあるようです。

② 情報的手段: 啓発活動と情報支援
 啓発活動や情報支援などの情報的手段は非常に多用されていますが、その効果の把握は難しく、十分に効果が上がっていると言えないケースも多く、手段が目的になっているケースも散見されます。しかし本仕組みにおける参加者は省エネ・節電活動をしようとしているので、関心度は高く啓発活動や情報支援の効果は大きくなることが期待されます。

③ 経済的手段
 経済的手法には租税・課徴金や補助金のほかに排出量取引などもあります。本仕組みでは、グループで削減できたCO2量を価値があるとしてカーボンクレジット(CC)として買い取ります。CO2排出削減はその自治体あるいは全市民の責務を果たした訳で、正直者が馬鹿を見るフリーライダー問題を解消し、公平性を確保できます。従って自治体などが費用負担することには正当性があると考えられる。

 これらの手段は互いに影響し合わないと考えられ、相乗効果は期待できないが、相加効果は期待できると考える。

④ グループ活動による効果
 これら3つの手段に加え、本仕組みでは、市民個人ではなく、5名のグループ(節電所)を対象とするという規定があり、参加のハードルを高くしている面がある。しかし、逆に取り組みの中止あるいは退会をしにくくし、また産業界で言われるQCサークル(小集団活動)のように情報交換や切磋琢磨に寄与している面がある。その他、取引費用を低く抑えることとともに、グループによる有効性(共同達成の効果もある)確保なども期待できる。

(4) 実証実験

 

①社会実験


②継続的実験


③市民節電所「まほろば」の活動